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◆捏造と偽装

ソウル大学教授によるES細胞の研究論文捏造事件や
世間を震撼させ建築業界に深刻なダメージを与えている
構造計算書偽装問題について、よく「性善説」や「性悪説」が取り沙汰されるが

ぼくには、その理由が全く分からない。

一方は学界、もう一方は建築業界の出来事だし
捏造と偽装では全然意味が違うから
これらの事件を一緒にすべきではないのかもしれない。
でも、過去にあった「神の手」による旧石器遺跡捏造事件や
ベル研究所の「若き天才」による超伝導の研究論文捏造事件を見てもそうだけど
新しい発見を期待されたからとか圧力があったからとか
捏造や偽装の原因をあれこれ探っても
問題は当事者であるその人個人の倫理観に尽きるのではないか。
また、それらを見抜けなかった理由も
名声や状況を鵜呑みにして検証・確認を怠った
組織や人間の問題に過ぎないのはないか。
「嘘をつく」「ごまかす」「騙す」という行為は、「笑い」と同様に
極めて人間的な情動であって「性善説」や「性悪説」の問題ではないだろう。
例えば、数学の世界に捏造はあるか?
ないでしょう。
いや、仮にあったとしてもそれを客観的に検証・追認できないと
証明にも定理にもなり得ない。
そうする理由が、数学者=「性悪説」にある訳では勿論ないはず。
「性善説」や「性悪説」の本質はもっと別のところにあるし
安直に使うべきではない。

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