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◆土地を読む

自分や家族が理想とするライフスタイルが見えてきたら
いよいよ、その生活を展開する場所探しです。
土地の値段に始まって、駅から何分とか学校の様子や街区の雰囲気とか
チェック項目は色々あるでしょうけど
一番大切なポイントは「土地を読む」ことです。

「土地を読む」というのは
単に土地の表面的な事象や関係を見るのではなく
土地そのものの成り立ちや性格を調べるということです。
例えば、物色する土地が開発団地の一区画であるとすると
1.方位を確認して
2.いつ開発造成されたのか
3.造成地は「切り土」なのか「盛り土」なのか
4.造成前の地形(川や谷あるいは沼など)はどうなっていたのか
5.地質の確認
をしなければなりません。これが「土地を読む」ということに繋がります。

1.は基本中の基本。でも、家相占いのためではありません。
東西南北を知ることは日照の動きと風の流れを知る手がかりになるからです。
2.は、造成後の経年が地面の締め固まりの具合に関係します。
3.は重要です。「切り土」は地山を削った土地を、「盛り土」は土を盛って造った土地をいいます。
当然のことですが、盛り土の土地は土の締りが甘い可能性が高いので
どの程度盛ったか(地山はどこか)と、どんな仕様で盛ったかも確認する必要があります。
造成地を掘り返したらガラ―建築廃材―が出てきたなどということが時々ありますから。
4.も大切です。自然の地形は、長い年月の地面の活動や風化によってできてきたものですから
谷になっているところは水が集まるし、山になっているところは地面の固いところです。
また、地形と方位によって風の流れる道も定まってきます。
地名の由来を調べることも元々の地形を知る上で有効です。
自然の大きな力の流れは造成などによって容易に変わるものではないのです。
5.はこの段階では確認程度ですが、建物を具体的に計画する段階になると
地盤調査が必要になってきます。
木造の2階建て程度の建物であれば、重量も軽いので問題は少ないと思われますが
スウェーデン式のサウンジング試験であれば、低予算で地面の状態を調査することができます。

このように、その土地のロケーションや利便性などのチェックに「土地を読む」ことを加えると
土地の性格が立体的に浮かび上がってきます。
そして更に、雨の日や風の日或いは朝昼晩と時間帯や気候条件を変えて
現地に複数回足を運ぶことが大切です。「読み」が「実感」に変わります。
水の引きが悪いとか、風が淀むとか、具体的な事象が見えてきますから。

この「土地を読む」ということは、何も開発団地の新築に限ったことではありません。
建売物件を見るときも、既に建っている街中の建物を見るときも有効です。
「土地を読む」という観点から、理にかなった立地・計画かどうかある程度判断できます。
理にかなっていないと土地や建物に無理が生じてきます。
つまり、「土地を読む」ことは「どう快適に住むか」に直結しているのですから大切です。

今回のおはなしは、別の言い方をすると「地勢を読み解く」ことであり
「地霊(ゲニウス・ロキ)」に繋がることでもあると思うのですが
その辺は「読書三昧」の "http://susumulab.com/archives/2006/02/post_16.html">『アースダイバー』
でも触れております。

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