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06 11 08

評決―ポール・ニューマンに捧ぐ―

評決


ハードボイルド好きなら
『動く標的』の探偵リュー・アーチャー
『タワーリング・インフェルノ』の有名建築家という役もある
代表作を数え上げたら切りがない
でも、ぼくはやっぱりあのアル中の弁護士が好きだ

嘗ては優秀な弁護士だったが
ある裁判の不正に巻き込まれてからすっかり評判を落してしまい
今や依頼もなく酒浸りの日々
新聞の死亡欄を見ては葬儀に顔を出して名刺を配る体たらく

その窮状を見かねた友人が仕事を持ってくる
手術中に嘔吐して窒息した女性が植物人間になってしまったのだ

介護している妹夫婦も望んでいることだから
示談交渉をして金で解決すればよいことだったが
この事故は明らかに医療ミスであり
その罪が問われないまま病院のベッドに廃人と化して横たわる女性の姿をみて
消えかけていたギャルビンの心に火がつく

しかし、それはあまりにも無謀な挑戦だった
相手は大病院でミスを犯した医者も一流なら顧問弁護士も一流
彼らは名声も金も力も十分過ぎるほど持っていた

何度も挫けそうになりながら
友人と彼女の応援を支えにこの圧倒的な力に立ち向かって行くギャルビン

シドニー・ルメット監督の名作、『評決』である

ポール・ニューマンとくると
若い頃はちょっとやくざでクールな二枚目、というのが定番だったと思うけど
この映画では、カッコ悪く情けない中年の弁護士の役が実に見事に演じられていて
まさにオスカー賞ものだ
ところが、その年は『ガンジー』に持っていかれてしまい
彼がオスカーを貰うのはずっと後のことなのである

病院側の顧問弁護士コンキャノン役のジェームズ・メイソンの演技も
どっしりと重厚だしシャルロット・ランプリングも良かったなあ


ポール・ニューマンは数々の映画に出ていろんな役を演じた人だけど
彼がこの弁護士役の中で見せた良心や理性そして勇気は
演技というレベルを超えている気がして
実際の彼も恐らくこんな人なのではないかと勝手に思っていたが
訃報を機に彼のプロフィールを読んでみてそれは確信に変わった

それにしても
朝のバーでビールに生卵割ってグイッと一飲み
やってみたいような、、、、、

posted susumu
12:55 AM | comment(3)