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◆父親たちの星条旗

父親たちの星条旗


戦争映画は好んで観る方ではないけれど
(小学校のころは「コンバット」のサンダース軍曹に憧れ
板切れで作ったM16を持ち歩いて
戦争ごっこに明け暮れていたから
そんなえらそうなことは言えませんが)
この映画はどうしても観たい一本だった。

「許されざる者(Unforgiven)」や「ミリオン・ダラー・べイビー」でも描かれているように
クリント・イーストウッド監督は善悪を単純な教条主義やご都合主義で捉えない。
それが物語に深い陰影を与えて観る者の心を揺さぶるのだけど
その目で戦争を見たら一体どうなるのか、
しかも日米両方の側面から撮るというではないか
本当に「戦争」を描くなら当然そうあるべきだと思っていたけど
そんな映画は作られたことがなかった
観ない訳には行かない。

映画は淡々と
本当に淡々と
硫黄島の戦いの悲惨さや国債販促に奔走する政治家
それに振り回されねじれていく兵士や家族の心を描いて行く
そこには勝者も英雄もいない
戦争の不条理だけがずっしりと横たわる
そしてそれを否定しないし賛美もしない
自らの心に問えと言わんばかりに。
本編が終わってタイトルテロップと共に
従軍カメラマンによって撮られた当時の報道写真がスクリーンに映されたとき
ぼくたちは初めてこの映画が単なる「作りもの」ではなく
登場人物の風貌も含め戦場の惨劇も硫黄島の風景も総ては
事実を克明にトレースしたものであったことに気付かされる。
(海上を埋め尽くす戦艦の数でさえ大袈裟ではない)
そしてぼくたちは初めて単なる傍観者ではなく
彼らが実際にあの場所にいてあの時間を生きていたことを知るのだ。
ぼくは席を立つことができなかった。
<p>映画館を出ると
外は年末クリスマス商戦花盛り
でもどこか現実感がない
特にこの映画のあとは、、、。

posted:susumu131206

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