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◆ガタカ

ガタカ [DVD]





アルファベットのG,A,T,Cだけを残しては消えて行くテロップ
美しいメロディ 不思議な物体の落下 謎のタイトル
オープニングから引込まれてしまう

もって生まれた遺伝子の優劣が人生の優劣まで決めてしまうとしたら?
アメリカでは遺伝子確認による保険のリスクヘッジが行われているというから
究極の個人情報とも言える遺伝子情報が
その人の人生の機会を左右することは既に起こっているのかもしれない
極言すれば受精した瞬間にその人の人生は決定されてしまうことになる
とすれば、できるだけ健康で優秀な遺伝子をもつ人として生まれるように
受精前の遺伝子を操作するしかない

「ガタカ」は、それが当り前の
総てが遺伝子の優劣によって決められる時代のお話

両親が望んだ自然な受精と出産によって生まれた主人公ヴィンセントは
遺伝子の特徴として心臓も視力も弱く、長生きしないと判定されていた
そこで両親は、二番目の子として
遺伝子を操作した遺伝子的に「完璧な」子どもアントンを設ける
成長と共に兄弟には遺伝子に見合った形質が現れてくる
ヴィンセントは何かにつけて非力で、アントンは総てに優れていた

しかし、ヴィンセントはその遺伝的劣等を顧みず
宇宙飛行士になるという夢を抱く
これは遺伝子レベルの劣等者(不適正者)にとっては不可能なことだった
彼は両親や弟の忠告に耳を貸すことも無く
自分の意志と努力でこの不可能な夢の実現に立ち向かおうとするのだった

遺伝子は言わば運命のようなものだ 決して変えることはできない
そこで、優秀な遺伝子をもつ人物ジェロームになりきることで
宇宙局ガタカ(NASAみたいなもの)に潜り込もうとする
しかし、遺伝子情報はすり替えることができても
自前のパフォーマンスである知力や運動能力はすり替えられない
自分がやるしかない
その意志と努力の持続は並大抵ではない

ヴィンセントは、完全無欠の「適正者」の中にあって
その中でも特に優秀な者だけが選ばれる宇宙飛行士に見事なるのだが、、、、

華奢な体躯とおちゃらけた顔の向こうに潜む鉄の意志
ヴィンセント演じるイーサン・ホークがすばらしい
適正者ジェローム役のジュード・ロウは
まさに完全無欠の風貌だ


人生を決定するのは遺伝的要素が100%ではない
努力や意志、運などでどう変わるか分からない
だから人生は面白い
賭けてみる価値はある

因みに、ガタカのビル
フランク・ロイド・ライトが設計した実在の建物が使われているのだけど
そのシルエットが時代を超えてカッコよく
さすがは近代の巨匠 凄いというか敵わないというか
いやいや 人生何が起こるか分かりません

posted:susumu140412

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