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◆パプリカ
『インセプション』を観終わった日、興奮が深夜までつづき
夢つながりで急に『パプリカ』が観たくなった。
でも遅い眠気がさしてきたので途中で止めて寝た。
お盆にシャンパン片手に訪ねてくれた友人(謎の郵便局員)に
映画を想って黄色いパプリカ入りのサラダを振舞った。
二度目の『インセプション』を観たあと、突然の訃報を知った。
今敏、46歳。
『インセプション』と『パプリカ』は同じように夢を扱った映画なので
両者を重ね合わせる人は多いだろう。
確かに他人の夢に侵入したり共有するなど似た側面もあるが、
ぼくには、其々飛び抜けた才能によって作られた全く異質の物語に見える。
『インセプション』は階層的に構築された夢の構造が何処か建築的だが
『パプリカ』のそれは、夢の世界がパラレルに繋がっているので
想像力の趣くまま変幻自在に変化してゆく。
当然描こうとする夢の世界の質も異なってくる。
『インセプション』では夢が階層的に定義されることで
心の深層にダイブする感覚が
スリリングな時間設定と映像で表現されるのに対し、
『パプリカ』の夢の世界は基本的にはひとつで、
より強い人のイマジネーションで夢の世界が犯され支配されるという恐怖を
想像力豊かな映像で描いてみせる。その展開が楽しい。
原作は筒井康隆。中学校の頃よく読んだが『パプリカ』を読んだことはない。
小説と映画は似て非なるものだから大分雰囲気が違うのだろうが、
筒井康隆独特の饒舌多情で猥雑なタッチは画面に出ているような感じはする。
『ジャズ大名』を想い出すなあ。
今敏のイマジネーションで構築され展開される夢の世界は精緻に描かれ
色彩も鮮やかでとても美しい。そして映画的だ。独特の立体感もある。
また、千葉敦子とパプリカに漂う仄かな色気の表現が巧みで素晴らしい。
更に平沢 進の音楽が爽快だ。
心の中を風が通り抜けるように気持ちいい。
何処かエキゾチックなメロディなのに、不思議と何処でもない。
夢の世界とマッチした見事なサウンドだ。
早朝、改めて哀悼の意を込めて『パプリカ』を観た。
残念というよりない。
彼のブログに書かれた最後のメッセージは心に沁みる。
ちゃんとものを創る人は
最後の最後までちゃんとしているのだなあ。
その早すぎる死を悼む。
posted:susumu280810
コメント
監督の最後のメッセージを読みました。
お名前も作品も今回初めて知りましたが
それでも胸に迫るものがありました。
やっと時間ができたので
『パプリカ』を観てみました。
最初はパプリカが誰なのか、何なのか、
よく解からなかったのですが
観ていくうちに解かってきました。
しかし何て言うか、ごちゃ混ぜで、変で、面白くて
ちょっと気持ち悪いようで、切なさも織り交ぜた『夢』のオンパレード。
よくあんな映像を考えつきましたよね。
それを見事に創ってしまう凄さ。
音楽も素晴らしかった。
面白かったです。
けっこう笑わせてもらいました。
最後の映画館のシーンでは
ポスターを見て思わずニヤっとしてしまいましたよ。
この方もオチャメですね~。
(追悼番組で深夜にやっていた『パーフェクトブルー』は
残念ながら見逃してしまいました。)
これを機会に少しづつ観ていきますね。
posted: pukupuku September 28, 2010 01:17 AM
追悼番組として
2004年だかに今敏氏が出演していたトップ・ランナーの再放送を見ました。
そのときはまだ製作中だった「パプリカ」の話が出てきますし
生き方や考え方に独特の視点がありとても面白かったです。
といいながら、ぼくも彼の作品はこれしか知らないのですが。
posted: susumu September 28, 2010 02:54 AM
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