cafe ICARUS

presented by susumulab

« 『情緒と創造』 岡 潔  < mainpage > マンハッタン »


◆偶然と必然(邦題=しあわせ)

しあわせ


いやあ、参った、感動しました
何の気なしにTVをつけたらその画面が突然目に飛び込んできた
このタイミング、偶然か?必然か?
白熊が人家の扉を破り中を荒らすドキュメンタリーみたいなものがフランス語でやってて、、、、

どうなるのかな、と思っていたら
突然場面が変わって
クロード・ルルーシュの名前が出てきて映画が始まりだした
ステージで、舞台上にスクリーンがあって俳優が横にいる
スクリーンの虚像と実像の俳優が奇妙に入り乱れて展開する内容のあと
白熊の映像は何っだたのかと思いながら見ていると
物語は時間も場所もバラバラにビデオカメラがひとつの鍵になって
風景もインテリアも会話も美しく世界中に拡がり
あたかも前の舞台の演劇とシンクロするかのように虚実織り交ぜて進んでゆく
切れ切れだった話が見事に繋がってゆく偶然と必然
物語の構成が幾重にも重なって
まるでティラミスみたいになっている
主人公がダンサーということでダンスシーンも多いけど
中でも目を引くのが踊る宗教「メブラーナ教」のダンス
放浪時代に観に行ったのを思い出す
シンプルに回転することである種のトランス状態になってゆくのだろう
人々が緩やかに回転するあの様は本当に美しい

それにしてもこの邦題タイトルを「しあわせ」にしたらいかんやろ
偶然だったから観たものの
これがTVの番組表を見てただの「しあわせ」だったら見てたかなあ
(クロード・ルルーシュの名前が入っていたら観たかもね)
ま、オープニングでやられたから良かったけどね
これこそ『偶然と必然』の成せる技かな

posted:susumu151207

コメント

クロード・ルルーシュねえ、なるほど。

この作品は、知らなかった。
以前、「男と女」を、LDで観た事がある。
この監督いいねえ、

なんとも、ソフィスティケートされたフランスの美学とでも言ったらいいのかなあ。
フランシス・レイの例の主題歌と共に。

映像の作りが、複雑なのは、この人の特徴みたいだね。
そして、主人公の人生模様が複雑なところも、やはり同じだ。。
藤沢周平なども、今大変に人気が有るが、苦労が、作品に深みを創り出すものと思う。

そして、レーサーである主人公が操る、フォード・マスタング、
これが、展開のスリリングと共に、フランスの風景に、ニュアンスを与えて、かっこよく。
主張していたね。

「しあわせ」(『偶然と必然』)はぜひ観てみたい。

posted: HiroshI Iwamoto
December 17, 2007 07:53 PM

『しあわせを貯金できたらいいのに・・・そしたら辛い時に引き出すの』
恋人・息子との幸せな時の主人公の言葉。

普段、何気なくふっと思ったり、してしまったりする事が
本当にうまく、さりげなく、しかもたくさん入っていた。
それが何気に「本心」だったりするのが解るから
感情がシンクロして溢れるように涙が出た。
バラバラだったパズルのピースが時間とともに
美しい絵になった様な、そんな映画でした。

『黒アゲハ』のコメント欄でIwamotoさんが
「人の生死も含めて、全ての事柄は複雑にからみあって成り立っていく」
と書いておられました。
この年になると良い事も悪い事も含めて、本当にその通りの
偶然や必然が絡み合った出来事を実際にいくつも体験していますよね。
その場では解らなかった事が、ずっと後になって
鮮明に見えてきたりとか。
そんな誰にでもある思いが美しい風景や言葉と音楽とで
丁寧に創られていた。

「もういいよ、そういうふうになっていたんだよ」と
この映画にそう言ってもらえた気がして
もうそれだけで十分救われた気がした。
この映画、教えてくれたICARUSさんに感謝です。

昔観た「男と女」も年を重ねた今、また違う感じ方が
出来るかもしれない。もう一度観てみようかなあ。
これがクロード・ルルーシュの魔法なのかもしれないな。

posted: pukupuku
July 30, 2008 02:04 AM




保存しますか?



copyright(c) 2005-2011 susumulab all right reserved.