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◆失言

閣僚の顔ぶれが変わる度につまらない「失言」を論い
笑いものにしてはそれを根拠に人物の適性・資質までこき下ろし
政治的混乱に拍車をかける
最早ニッポンの風物詩だけどメディアは一体何を目差しているのだろうか

現防衛相田中直紀氏のことをいっているのではない
擁護するつもりもない
昨今のマスコミの政治家に対する報道の中で
特に、「失言」をスクープしてはスキャンダラスな失脚に追い込むやり方に
清廉な批判精神で政治家を鍛え育てようという志が
欠片も見えず何ともやりきれないのだ

閣僚の資質も知識もないのに大臣職に納まっているのも情けないけど
知識のなさをのみ追求して政治家の資質を問うのも大人気ない
政治家の問われるべき資質はそんなところにはないだろう

勿論つまらない失言をしてしまう政治家がいけない訳だけど
最近はその「失言」がマスコミの誘導ではないかと
不快に思うことがある

去年のことだけど、当時閣僚だった鉢呂氏の
大臣辞任まで至った一連の「失言(行動?)報道」もそのひとつだ
問題となった最初の「死の町」発言をニュースで見たとき
反射的に「またか」などと思ってしまったが
「いやいや、待て待て。今の発言のどこがいけないんだ?」
とその報道に違和感を覚えた

このときの発言は動画として残っているから前後の流れを確認できる
彼は自分が目にした被災地の厳しい光景を正直な感想として
「死の町」と形容した後で
不倒の努力によってこの状態から完全復旧復興する、と決意表明したのである
それは被災地を愚弄したわけでもなければ嫌悪したわけでもなく
況してや冗談でもなかった
たしかに「死の町」という言葉だけを取り上げれば
あの時期に避難している人々に対して配慮を欠く面があったかもしれない
が、根底に悪意は無い いや、寧ろ状況を真正面から受け止めた結果だろう
殊更「死の町」だけを切り取った報道の側にこそ悪意を感じる

そして、続く問題の曖昧な「放射能」発言
その内容は一国の大臣が記者の前で言うことではないし
本当に鉢呂大臣が言ったとはとても信じられなかった
で、調べてみたところ
これが同席した記者の間で聞いた言葉も行動も各紙微妙に違った

おかしいじゃないか!
大臣が、彼を取り囲む記者を前に発した言葉が其々違うなんて!

恐らく、
彼なりの心許した記者たちに対する軽い冗談のつもりだったか
スキンシップだったのかもしれない
勿論それはあまりにも軽率な行為だ
であればこそ、記者はこれを記事にする前に
その言質・真意を本人に確かめるべきではなかったのか?
囲みに中で大臣がとった一瞬の行為言動なら尚更の事ではないか
これじゃあゴシップ記事と何ら変わらない
それどころか、捏造、創作の嫌いさえ感じられる

鉢呂大臣辞任の弁も情けない
「本人としてはそのような発言をした記憶が定かではないが
同席していた記者たちはこの道(報道)のプロだから
彼らが「言った」と言うのなら多分私が言ったのだろうと思う
これ以上政治的混乱を招く訳には行かないので辞任する」
という主旨だけど全く説明になっていない


健全な批判精神は優れた政治家を育てる

その逆はない

posted:susumu310512

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