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◆ノートルダム寺院

『風のファルーカ』も漸くドーバーを渡ったので
スケッチもパリで描いたものを一枚

石造りの建物が光を取り込むのは容易ではない
キリスト教の宗教心と権勢を誇示して上層に伸びようとする力の一方で
分厚くなる石の壁を切り分けて如何に大きな窓を設けるか
その渇望から生まれた構造的工夫が跳び梁(フライング・バットレス)
この絵はその部分を描くために
正面からではなく、斜め後方から捉えることにした
建物の平面構成が十字型になっているのが屋根の形で分かる
心臓部に高い尖塔が立ち、翼廊には薔薇窓が見える
内部は光の洪水だ
この辺りはスリや引ったくりが多いと脅かされたけど
かなり集中して描いたなあ

因みに、関係ないけど
「ノートルダム」って「ノストラダムス」なんですよね

posted:susumu291008

コメント

これはシテ島の対岸からスケッチしたようだね。
好く描けてるよ。
ノートルダム寺院、昔始めて見たとき、やはり感動したねえ。
しかし、こういうのはツアーで行くと、思うように観られないからね。
正面ファサードとかに沢山並んでいる聖人の像とか、庇とかあちこちに散りばめられている、怖くてユーモラスな怪獣とか、全部漏らさず写真集で見てみたいものです。

この作品は、覚え書きであり、旅のスナップ写真であるから、此れでいいのかもしれない。
しかし、森田は、優れた建築家であるから、あえて言うけれども、私は建築家なら、もっと立体的に描いてもいいのではないかと思う。

薔薇窓と、跳び梁を描きこみたいなら、それを強調してもいい。
全てを描きたいと思うあまり、平面的になってしまって、肝心の構造が描きこまれていない。
平面構成が読み取れるのは、予備知識が有る人だけではないのか。
こちら側の翼廊の薔薇窓と、正面左側の塔との間に空間が感じられない。
嫌味な言い方だが、マチスのような、エッシャーの騙し絵のような、同一面にあるように見えてしまうのは私だけかな。

一つの画面の上に、構造とディテールの両立は難しいと思うので、二枚描けばいいのではないかな。

さて、ゴシック建築の素晴らしさ、教会なら壮大さの点でケルン大聖堂か、列車の窓から、黄昏時、かわたれ時に浮かび上がる巨大なシルエットを眺めて、ため息を吐いてみたい。

一方ステンドグラスでシャルトル大聖堂か、遠くから尖塔を望みつつ麦畑の中の道を歩を進めてゆく。
やがて大聖堂に辿り着き、ステンドグラスから降り注ぐ光のシャワーに打たれて、法悦の境地に、到ってみたい。

posted: HiroshI Iwamoto
December 8, 2008 08:14 PM

確かに同じタッチで描かれていて
距離感が分かりにくいですね。
細部に拘り過ぎました。
ゴシック建築を眺めていると
壮麗さとは裏腹に空虚さが際立つというか
甲殻類か何かの抜け殻のように見えるときがあります。
寧ろ、ロマネスク建築の方が濃密な空間を創り出せているような気がします。

posted: ssm
December 22, 2008 04:45 PM




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