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◆山桜
といっても映画や小説の話ではなく
先日、室生の家に帰ったときのこと。
途中の村の川縁に
淡いピンク色の花を咲かせた大木があった。
周囲に競うものはなくただ独りの満開で
よく通る道だけど、
こんなところにあったかなあ、
と山桜の美しさに感嘆しつつ家に向かった。
三日後、用があって町に下りるついでに
再びこの大木を見たが印象がガラリと違った。
全体が濃いピンク色になっている。
こんなにもはっきりと色が変わるのか、
と正直驚いてしまった。
その二日後、大阪に出るとき
今度はどうなっているのだろう、
とワクワクしながらその場所に差し掛かったら
なんと山桜はあの濃いピンクの花を総て散らせて跡形もなく
その存在も既に背景の雑木林に溶け込み、
まるで幻でも見ていたかのように
何事もなく。
もう何十回となく桜を見てきているが・・・・
桜の散り際がこんなにもすごいものだったとは。
posted:susumu090508
コメント
桜といえば、そのシーズンともなれば、テレビで取り上げられたり、夜桜を中継するなど、有名な桜は数多くある。
しかし、桜は、そんなものばかりではない。
誰にも振り返られることなく、いや、気づかれることもなく、ただ其処に、ひっそりと、いや、普通に、あったりする。
「お前そんなとこに居たのかよ。」
そんなことは、言うまい。
ちらりと、見てあげれば、
それでいいではないか。
しかし、
彼は、そこに立ち止まって、壮大なるドラマと、永遠の真理を見た。
posted: HiroshI Iwamoto June 16, 2008 04:04 PM
「散り際の桜」と言うけど
あれほど潔いものとは思いませんでした。
まさにエロスとタナトス。
スケッチに行きたくなりました。
posted: ssm June 17, 2008 08:54 AM