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◆白井晟一、建築を語る―対談と座談

白井晟一、建築を語る―対談と座談




白井晟一が好き 大好き
この世界に入ったときには既に孤高の人だった
今の時代には見られない
ストイックな設計態度を貫いた建築家だった


彼は自分の建築について寡黙な人だった
あれこれ問うより建築を観ろ、と

そんな彼の対談集がこれだ
昔は結構語っていたんだなあ
貪るように読みました
晟一マニアだったから大概の本はもっているけど
中には知らないものもあった

難しい話もあれば優しい話もある
相手の言葉と態度の深浅に敏感に反応する
それは ときに厳しく手強い

そんな中でも異色で
心に残るのが詩人草野心平との対談だ
おもしろい おもしろ過ぎる
もう強烈に創造の世界が乱舞する
縦横無尽 天衣無縫
二人とも本当に楽しそう

草野心平という人は凄い
詩人の鋭い目で 鋭い美意識でものの核心に一気に迫る
既成の価値観などすっ飛ばして本質だけを見抜く
それが白井晟一のユーラシア的な建築観と絡まって天空を翔ける
とりわけ蛙とセックスの話は最高だ
爆笑


ああ こんな出会いをしてみたい こんな会話をしてみたい

白井晟一が亡くなったとき
肉声を聞く機会がなかったことを心底悔やんだ

会いたいひとには迷わず会うべきだし
そのひとの声を聞くべきだ 
時間を惜しんだり怖気づいたりしてはならない
と思う


仕事がないときは
彼の図面集を眺めては
ここまでやるか
と感動し気持ちを奮い立たせる

さあ 人生
これからが本当の戦いだ

posted:susumu220512

コメント

まだすべてを読んだわけではないのですが
ICARUSさん推薦の箇所を先に拾い読み。

草野心平との対談、
もう爆笑
あはは~~!!!!
声あげて笑いました。
でも真剣に話してるんですよね。
大真面目に!
司会の人も面白いなぁ。

それにトイレが無い家が修行??
拷問ですがな~
でもって設計してもらった家の図面にトイレがあって
大喜びしたって話、これも凄いですね。
というか、ひっくり返りそうになりました。

じっくり読ませてもらいます。


昨年の震災の後に友達と話したのです。
何があるか分からないから先延ばしせずに
やりたいことをやろう、行きたい所に行こう、
会いたい人には会おう、って。
人生も後半。
私も勇気を出しましたよ!

posted: pukupuku
May 29, 2012 11:28 AM

白井晟一は明治生まれの人です。
骨の太さも芯の強さも半端じゃありません。
文章には深い含蓄があり書は真正面から突き抜けていて
建築も生き方もまさに孤高。
縄文の匂いがプンプンします。

人生も後半?
いえいえ、これからでしょ。
何故なら貴女の勇気と冒険心こそは若い精神の証だから。
そしてその精神は老いない。

posted: susumu
May 29, 2012 03:36 PM




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